バモス顔のアクティトラック、運転席か助手席の足元からアクセルを煽ったら水の流れる音がしたら要注意!ヘッドガスケットが抜けている可能性あり。
アクティ水の流れる音の原因
バモス顔のアクティは10万キロを超えたら要注意。エンジンの作りが悪いのか知らないけど1回目のタイミングベルト交換時、冷却水のエア抜き中によくヘッドガスケットが抜けるらしいです。
このアクティトラックは15万キロで1回タイミングベルトを交換していました。ベルト交換時にヘッドガスケットがダメになったのかはわかりませんが水の流れる音がしだしたと連絡がありました。
異変に気づいたのが春前の事だったので水の流れる音がしている状態で春夏を迎えていたら間違いなくオーバーヒートしていたと思います。
実際私はアクティの水の流れる音を聞いたことがなかったので本当にそんな音がするのか半信半疑でしたが、このアクティは間違いなく蛇口から出る水みたいにジョロジョロと気持ち悪い音がしていました。
間違いなくヘッドガスケット抜けです。
そもそもヘッドガスケットとは?
エンジンのシリンダーとシリンダーヘッドの間にあるパッキンのようなもので、ピストンの圧縮抜けや、冷却水やオイル道も通っているので水と油が混らないようにしているものになります。
水の流れる音のアクティばらし作業
ヘッドガスケットの交換には、タイミングベルト、シリンダーヘッドを外さないといけません。アクティのタイミングベルトは結構簡単ですので落ち着いてやれば初心者でも出来ます。
かなり工具が必要になるので工具と環境があればできます。
ファンベルト外す
とりあえず荷台にある4つのボルトを外してエンジンを上から見れるようにしましょう。そしてファンベルトのカバーを外します。
エアコンとオルタネーターにファンベルトの張りのアジャスターがあります。どちらもバールのようなものでコネてベルトを張るようになります。
ファンベルトを外す時は支点とアジャスターボルトを緩めてベルトを引っ張れば勝手に緩みます。緩んだら外すだけです。
エンジンマウントを外す
アクティのタイミングベルトのカバーを外すのにエンジンのマウントを外さないといけないのがちょっとめんどくさいですね。
オイルパンに木を当ててジャッキで持ち上げておけばエンジンが落ちる事はありません。エンジンマウント1個外したぐらいではエンジンは落ちる事はありませんが、他に負荷がかかると良くないので何かで突いておきましょう。
私は地べたで作業するのでパンタジャッキで突いています。エンジンマウントが外れたら、いよいよタイミングベルトを外します。
タイミングベルトを外す
タイミングベルトカバーを外せばタイミングベルトが見えてきます。クランクギヤとカムギヤに適当な合マークを付けておけば間違いが少ないです。
タイミングカバーは2つに分かれていて、上のカバーが外れない場合はヘッドカバーを外しておけば簡単に外れます。
エンジン自体にも合マークが付いていますがカムギヤの方が見にくいです。斜め一直線になれば合っていますが顔が入らないので見にくい見にくい。
クランクギヤの方は三角の印を合わせるだけなので見えます。テンショナーを緩めたらボロッとタイミングベルトが外れます。
タイミングベルトを外したら絶対にエンジンを回してはいけません。
クランクを手で回せば分かると思いますが、途中回らなくなります。それはなぜか。ピストンがバルブに当たっているからです。
無理やり回すとバルブが曲がってしまうので後々めんどくさいことになります。絶対にエンジンを回さないように!
インマニ、エキマニ、冷却水のホースを外す
冷却水のホースを先に外しておきましょう。冷却水がドバッと出ますが無視して大丈夫です。
タイミングベルトを外す前にインマニ、エキマニを外してもおっけいです。シリンダーヘッドを外すのにインマニとエキマニがシリンダーヘッドにくっ付いたままだと外れないので先に外しておきます。
因みにシリンダーヘッドを外してからインマニ、エキマニを外す作業は無理です。エキマニのボルトは錆びていて外れにくいので無理やり外すとボルトが折れたりして余計に取れなくなってしまいます。
無理やり外そうとせずBBQで使うようなガスバーナーでボルトの頭を炙ってから緩めると外れやすいです。時間がかかりますが1本1本ガスバーナーで炙ってから外すようにしてください。
ボルトが折れたらもっと時間がかかります。
インマニの方は普通に外せると思いますが、インマニのパッキンがアクティは紙で作られているので、おそらく破れると思います。
破れずに外せたとしても新しいパッキンに交換してください。二次エアーを吸ってしまう原因になります。
破れてしまったパッキンはスクレイパーなどで除去してから除去しきれなかったパッキンをオイルストーンや目の細かい耐水ペーパーなどでキレイに除去してください。
あとはインマニ周辺にインジェクターなど細かい部品をサクッと外していよいよシリンダーヘッドボルトを外していきます。
シリンダーヘッド取り外し
ヘッドカバー取り外すと何やらすごいものが見えてきます。アクティはカムシャフトを付けたままシリンダーヘッドを取り外すことができます。
シリンダーとヘッドを固定してしているボルトを8本外すと外れますので荷台から作業する場合は地面に叩き落とさないように気をつけましょう。
シリンダーヘッドボルトは外側から中心に向かって均等に緩めて外していきましょう。
結構ナメてると重たいのでここだけは力仕事で頑張りましょう。私は上から作業しましたが、ごちゃごちゃしてて知恵の輪みたいにして抜いてこないといけなかったので下からの方が外しやすいかもしれません。
シリンダーヘッドが外れたらピストンの頭が見えてパッキンが取れます。そのパッキンこそ水の流れる音がする原因のパッキンです。
見た目ではダメになっているのかわかりにくいですが、それが原因です。
シリンダーヘッドまで外すことができたら、あとは逆の手順で組み付けていくだけなので簡単です。
水の流れる音のアクティ組み付け作業
シリンダーヘッドが外れたらあとは組み付けていくだけです。組み付け時の注意点としてはパッキンがあるところの掃除ぐらいです。
- シリンダーとシリンダーヘッドの間
- シリンダーヘッドのエキマニがつくところ
- シリンダーヘッドのインマニがつくところ
- ヘッドカバーとシリンダーヘッドの間
ここだけは地味な作業になりますがしっかりとキレイにしておいた方が作業をスムーズに進めることができます。
私はシリンダーヘッドのインマニが付くところの紙のガスケットをキレイに剥がしておらず全部組み終わってエンジンをかけたら勝手にエンジンの回転が上がってハンチングを起こしまいました。
ハンチングとは
エンジンの回転が勝手に上がったり下がったりする事。
インマニを外してシリンダーヘッドの紙のガスケットを除去する作業を車の上で作業をするハメになったのでシリンダーヘッドが外れている時にキレイにガスケットのカスは除去しておきましょう。
仮にも同じような状況になってしまったらインマニ周辺にパーツクリーナーを吹き掛けてあげれば二次エアーを吸っているのか簡単にわかります。
パーツクリーナーを吹きかけてエンジンの回転が下がれば二次エアーを吸っていることになります。すぐにインマニを外してガスケットを除去してください。
シリンダーヘッド組み付け
シリンダー側にヘッドガスケットを付けたら後はヘッドガスケットが外れないように慎重にシリンダーヘッドをシリンダーの上に置くだけです。
エンジンが斜めになっているのでちょっとややこしいのがめんどくさいですね。シリンダーヘッドが無事付いたらシリンダーヘッドボルトを中心から外側に向かって締め付けていきましょう。
外す時は外側から中心に向かって外します。
外す時と一緒で均等に同じような力で締めていきましょう。軽く締まってきたらトルクレンチを使って64N/mの力で全てのボルトを中心から締め付けたらシリンダーヘッド組み付けは完了です。
いきなり64N/mで締めるのではなく、何段階かに分けて締め付けていくと均等な力でしまって行きます。例えば20N/mで締めて40N/mで締めて最後に64N/mで締め付けて完了です。
エキマニ、インマニ、冷却水のホースを付ける
エキマニ、インマニも新品のガスケットを取り付けて中から外に向けて締めていきましょう。トルクは適当とは言いませんが、20N/mぐらいで大丈夫です。
あまり締めすぎてもボルトやナットが折れてしまいます。特にエキマニはサビていると思います。あまり強く締め付けないようにしましょう。
冷却水のホースはホースバンドに注意です。ホースバンドはホースに跡が付いています。その跡通りに付けるようにしましょう。
適当に付けても多分大丈夫だとは思いますが、跡通りに付けた方が間違いがなくて安心できます。
残りの細々したものを取り付けて行きましょう。この時点ではまだ、ヘッドカバーはまだ取り付けてはいけません。
先にヘッドカバーを付けてしまうとタイミングベルトのカバーが取り付けできなくなります。タイミングベルトのカバーを付けるまでウエスでも被せてエンジンの中にゴミが入らないようにしておきます。
タイミングベルト取り付け
いよいよタイミングベルトを取り付けます。外す時にマーカーで付けた合マークとエンジン本体の合マークを合わせながらベルトを付けていきます。
あのアクティはタイミングベルトを再使用したのでそのまま取り付けましたが、新品のタイミングベルトに交換する場合は新品のタイミングベルトにもマーカーで印を付けましょう。
アクティ系のタイミングベルトはすんなりと入ってくれるので交換しやすい方です。タイミングベルトの交換ならベルト、テンショナー、アイドラプーリー、ウォーターポンプを交換するのが普通です。
今回はタイミングベルトの交換ではないので、全て再使用で組み付けていきます。ウォーターポンプを交換しなくても冷却水のエア抜きは必要になります。
タイミングベルトのテンショナーのバネの力で戻ったところより少し力を加えたところで固定します。アクティ系のタイミングベルトはちょっとだけ張り気味にするそうです。
タイミングベルトを取り付けて、テンショナーも固定ができたら、クランクを2回転させてみてください。2回転させてエンジンの合マークが同じところにいれば完成です。
- 途中でクランクが回らなくなった
- エンジンの合マークがズレている
場合はもう一度タイミングベルトを付け直してください。山がズレている場合があります。無理に回すとバルブが曲がってしまうので焦らずもう一度付け直せば大丈夫です。
クランク2回転する事が確認できればタイミングカバーを取り付けていきます。
エンジンマウントを取り付け
エンジンマウントを付ける前にシリンダーヘッドカバーを取り付けていきましょう。ヘッドカバーのガスケットも新品に交換しておきましょう。
オイル漏れの原因のひとつです。アクティ系はプラグホール、ヘッドカバーの固定ボルトにもゴムがあります。
長い方の固定ボルトのゴムは硬いので交換するのに苦戦します。冬のゴム交換は結構地獄です。ヒーターか何かで温めてからやると交換しやすいです。
エンジンマウントを取り付ける時にタイミングカバーとエンジンマウントの間にカラーがあります。入れ忘れないように注意してください。
昔カラーを入れ忘れてカム角センサーを壊してしまった事あります。
ファンベルトを付けてエンジン始動
エンジンマウントも無事に取り付けができたら残りのファンベルトを付けて張り方はバールか何か長いものでコネて張ります。
ファンベルトカバーも取り付けたら、冷却水が入ってなくてもいいのでエンジンがかかって、少しアイドリングするか確認してみましょう。
大丈夫そうなら冷却水を入れて冷却水のエア抜きを行います。
このアクティもエア抜きをして終了だと思っていました。最後に見たくないものを見てしまって追加作業が発生しました。
水の流れる音のアクティ、仕上げ
まさかの冷却水漏れが分かりました。場所はサーモスタットです。作業自体は難しくありません。
ただ部品がなかったので、次の日に部品を取りに行き無事交換することができました。サーモスタットの水漏れがなかったら1日で終わってたのに。
ちゃんと確認していなかった自分が悪いです。水漏れも直り冷却水のエア抜きも1時間ほどで完了して水の流れる音は見事になくなりました。
ついでにホイールをダイハツ純正のミニライト14インチに交換しました。なかなかカッコよくなりました。15万キロなのでまだまだ走れます!シリンダーヘッドガスケットも新品になったので、このまま30万キロまで乗って欲しいです。
高かったけどBALのガレージジャッキが大活躍です。低床で車高の低い車でも上げれる。
長くなりました。最後まで読んでくださりあがとうございました。